雄勝町伝統伝承芸能胴ばやし獅子舞は、室町時代後期からとも言われており、
約600年もの昔より伝承されている獅子舞です。
雄勝町には、国指定の重要無形民俗文化財の雄勝町法印神楽がありますが、
その雄勝法印神楽の三十三番演目のひとつにかぞえられており
雄勝町六区内の神社の祭典後には、必ず獅子舞が舞われたと伝えられております。
現在では、一月正月に春祈祷として雄勝町六区内で新山神社に集結し宮司のお祓いの後、
各地区に分散し地域の一大行事として家々を廻り一年の悪厄退散、家内安全、
交通安全、商売繁盛、無病息災などのお祓いを神事行事として現在でも行われております。
近年では小中高学生にも伝承され又、社会福祉、地域活性、青少年健全育成にも役立っています。
2011年3月11日に発生した東日本大震災の大津波で全てを流失する。
「すすふり やんねげねっちゃ」
(獅子振り(獅子舞) やらねばいけないじゃないか)
「ししがっしゃ どが ねーべや!なんずぬすてやんの!」
(獅子頭とか(流されて)無いじゃないか!どうやってやるんだよ!)
震災で大きなダメージを受けた雄勝町六区内で唯一ある程度の戸数(25戸)が残った味噌作。平成23年、「愛好連」のメンバー同士で顔を合わせるたびその話題が話されました。
味噌作の地区会である「親交会」の解散も決定し、
「雄勝町胴ばやし獅子舞味噌作愛好連」としての存続も危ぶまれていました。
八方塞がりな状況の中、「やんねげねっちゃ」の声が無くならなかったのは
復興計画が遅々として進まず暗い話題が多い中でも「雄勝の再生を祈念したい」
「地元の役に立ちたい」という気持ちが強くあり、
なによりも「みんなの笑顔が見たい」と愛好連メンバー各自がそれぞれ思っていたからです。
獅子頭を河北町から、太鼓を他団体から借り受け
平成23年6月「第2回おがつ復興市」に出演。
その後、石巻地区文化協会連絡協議会を通じ日本財団様より楽器装束一式をご支援いただき、平成24年11月、再建された新山神社の秋の祭典で奉納演奏。
そして平成25年正月、念願の春祈祷を再開できました。
地区内の19戸はもとより雄勝の方々が住んでいる仮設住宅を回り
獅子舞にて悪魔払い、家内安全を祈願してまいりました。
代表
川田徳雄
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